トイミッケとは?

社会の「問い(トイ)」を、いち早く「見つけ(ミッケ)」る。

だから、私たちは見つけに行きます

特定非営利活動法人トイミッケ 代表理事 佐々木 大志郎

2011年、私自身がホームレス状態でした。

友人とルームシェアをしていましたが、彼の帰郷で解散することになり、ひとりでは次の住まいを確保できませんでした。2か月ごとの有期契約を繰り返す仕事を続けながら、ネットカフェで寝起きする生活が半年ほど続きました。誰にも言えないままでした。いま私たちが支援している方々と、同じ状況です。

そのとき私は、自分が「困っている」と認識できていませんでした。毎日働いて、その日の寝床は確保できている。明日も同じようにできるはずだと思っている。だから、助けを求めるという発想にならないのです。

結局、食生活が悪化して体調を崩し、そこで初めてどうにもならないと気づきました。必死にネットで検索して、ようやくたどり着いたのが「自立生活サポートセンター・もやい」でした。相談し、公的支援につながることができました。困ってから頼れるものにたどり着くまでの距離は、驚くほど遠かった。

いま、困窮のかたちは私の時代とはまったく変わりました。スマホとアプリがあり、その日の仕事はその場で見つかります。だからこそ、ぎりぎりまで「働けてしまう」。破綻する瞬間は本人にも読めず、当時の私よりもさらに見えにくくなっています。

それでも、やることは変わりません。困っている人が、その瞬間にすぐ支援につながれるようにする。待っていては出会えないのなら、こちらから見つけに行く。そのために私たちは、街に「駆け込み寺」をつくり、電話を失っても届くSOSの回路を用意し、支援情報が届かない層にはショート動画で届けにいく、という方法をとっています。

課題の背景をくわしく知りたい方は、1分でわかる 現代のホームレスをご覧ください。

私たちが取り組む2つの課題

受け取りスポットで手渡す緊急支援パッケージ

通信の貧困 — 人として社会の中で生きるために「通信できること」が不可欠であるにもかかわらず、公的支援が十分に手当てされているとはいえません。私たちは「通信は人権」と考え、電話を失っても支援機関へSOSを発信できるボイスチャット相談、通信自体をどんな状況でも担保する市民主導の公共FreeWi-Fiに取り組んでいます。

見えにくくなった困窮層へのアウトリーチ — デジタルインフラを前提としたギグワーカー等の働き方が広がるなか、従来型の配食や相談会が届きにくい方々が増えています。日常と貧困の狭間で不安定な労働と居所を回遊する方々へつながりをつくるため、せかいビバーク、生活保護おじさんを実施しています。

社会の「問い(トイ)」を、いち早く「見つけ(ミッケ)」る

2020年、コロナの影響が社会全体を覆い、特に社会的に弱い立場に置かれていた方々の生活を直撃しました。

この「コロナ禍の貧困」において、いくつかの課題が新たに「発見」されました。そのひとつは、人間として社会の中で生きるために「通信できること」の担保が必要不可欠であるにもかかわらず、従来の公的福祉が主に「衣食住」を支えるところから進んでいないことです。

「人権としての通信」が保障されるべきフェーズにありながら、その道のりは遙か手前で止まっています。

一方、支援者側では、デジタル技術を活用した支援基盤の必要性が「発見」され、整備・実装が進みました。民間ウェブサービスとしての生活保護申請の実装、複数の支援スキームを横断した支援情報の共有と分析などは、これまで感覚的におこなわれてきた「都市の中で不安定な仕事と住まいで暮らす方々」の実相に、新たな光を当てつつあります。

デジタルインフラを前提としたギグワーカーなど、従来型の支援がマッチせず、日常と貧困の狭間で不安定な労働と居所を回遊する方々が増えています。そうした方へ新たなつながりを作るには、今までにない支援スキームを構築する必要があると考えます。

以上の状況を鑑み、私達は「通信の貧困」と「新たな困窮層へのアウトリーチ」を目的として、トイミッケを立ち上げました。

特定非営利活動法人トイミッケのロゴマーク
トイミッケのロゴマーク。M・ディヤングの児童文学『コウノトリと六人の子どもたち』から、社会課題自身を表す「コウノトリ」、その発見のきっかけとなった「木靴」、そして解決方法である「車輪」をそれぞれモチーフとして組み合わせました。

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