歌舞伎町の地下駐輪場。フードデリバリーのバッグを積んだ自転車とバイクが並んでいる

1 MINUTE

1分でわかる
現代のホームレス

この10年で、「ホームレス」のかたちは大きく変わりました。

スマホとアプリの普及で、「生活困窮」のかたちが変わりました。
路上や公園ではなく、ネットカフェや街の片隅に。
見えているのに、見えにくい——。それが現代のホームレスです。

日銭を稼ぎ、
ネットカフェで夜を明かす

歌舞伎町・トー横広場のそばには、24時間100円という最安の駐輪場があります。フードデリバリー従事者の基地になっています。

街には長期滞在向けのネットカフェが複数。フードデリバリーやスキマバイトで日銭を稼ぎ、ネットカフェで一夜を過ごす——これをくり返すのが、現代のネットカフェ「難民」です。

デリバリーバッグを積んだ自転車が並ぶ駐輪場
トー横広場横・東宝ビル地下の駐輪場。24時間100円という最安料金
「24h OPEN 完全個室 完全防音 インターネットカフェ」と書かれた歌舞伎町の看板
歌舞伎町内には、長期滞在向けのネットカフェが複数存在する
ネットカフェでのその日暮らしと、スキマバイトアプリ等の不安定な仕事を行き来する循環の図
「ネットカフェ等でその日暮らし」と「不安定な仕事で収入をつなぐ」をくり返す

崩れるのは、ほんの一瞬

彼らの生活は、ほんのちょっとのことで波打ちます。

1日単位の失職。入金の遅延。アカウントの停止。
それだけで宿泊費がなくなり、突然、路上に投げ出されてしまう。

居所喪失前の循環と、不採用や入金不可によって宿泊費がなくなり突然の破たん(路上)に至る流れの図
不採用による収入機会の損失、当日中の入金不可。そこから「突然の破たん」に至る

何人いるのか、誰も知らない

約4,000人以上
「見えにくいホームレス」(不安定居住&不安定就労層)
2017年 東京都調査(2018年公表・唯一の公的調査/現在は不明)

彼らは「不安定居住&不安定就労層」——いわば“見えにくいホームレス”です。東京だけで、約4,000人以上。

ただしこれは2017年に東京都がおこなった調査(2018年公表)が唯一の公的データで、現在の数は不明です。公開データからの推計でも幅が大きく、実態はいまだ誰にもつかめていません。

「家さえあれば、働ける」

  • 働きたい。自分で何とかしたいという気持ちが強い。
  • 「炊き出し」や「相談会」には来ない。福祉の文脈に縁遠い。
  • 就労できる相談者の9割が、スキマバイトアプリに登録し生計の柱にしている。
  • 求めているのは複雑な福祉支援ではなく、「家さえあれば」「携帯さえあれば」。
  • だから「福祉(NPO)」より「サービス(企業)」を信頼している。

スマホが、
困窮のかたちを変えた

01

突然、困る

ぎりぎりまでアプリで仕事を「探せてしまう」。だから、ホームレス状態になる瞬間が読めません。

02

その場で、困る

求職も宿泊もしながら移動しています。困ったとき、本人がどこにいるか分からない。動けなくなることもあります。

03

応急対応が要る

「相談して、明日また来て」では間に合いません。まず宿泊と食事がなければ、命に関わります。

だからこそ、公的な窓口や従来型の相談支援は、この変化に追いつけていません。

出会い方が、
追いつかなくなった

路上で暮らす方に支援を届ける方法として、長く中心にあったのが炊き出しや屋外での配食・相談会です。決まった場所に、決まった時間に、支援者が出向く。この積み重ねが、多くの人の命をつないできました。

いま、そこに並ぶ方の約7割は、住まいがある方です。半数は生活保護を利用中。

これは、炊き出しの意義が薄れたということではありません。住まいがあっても暮らしが成り立たない人が、それだけ多いということです。炊き出しは今も、その方々の生活を確かに支えています。

変わったのは、「今夜、行き場のない人」がいる場所のほうです。彼らは路上ではなくネットカフェにいて、そもそも列に並びに来ません。かつてホームレス状態の方に届く代表的な手段だった路上のアウトリーチだけでは、この層に出会えなくなりました。

相談会に来ている方の居住形態と生活保護の利用状況を示す2つの円グラフ
TENOHASI(池袋・月2回の相談会)のアンケート調査より引用(半数は生活保護を利用中)

一方で、「困窮者向けの市場」が急速に拡大しました。ネットカフェ、携帯滞納者向け業者、スキマバイト、そして「自社物件に即入居+生活保護申請」サービス。

こうした事業はGoogle広告で検索上位に並び、「必ず住めます」と分かりやすく打ち出します。結果、“貧困ビジネス”が困窮の最初の受け皿になり、支援NPOは認知で太刀打ちできていません。

場所に縛られず、移動する

ネットでつながれば、どこにいても変わらない。

高速バスは安く、地方への落胆と「東京に来れば仕事がある」という希望が、人を動かします。地元に縁がなく、家族もいない。だから地域移動に躊躇しない人が増えています。

所持金わずかで上京し、立ち行かなくなる若者も少なくありません。

現代の
「不安定居住&不安定就労層」とは

  • 実態数は誰にも分からない(都内で4,000人〜1万人未満?)
  • 就労意欲が強く、スキマバイトなどアプリ経由の「即払い」の仕事で働く
  • 公的にも民間にも、支援の枠組みに構造上つながらない
  • 受け皿が、困窮者向けビジネスになっている
  • 通信技術を背景に、移動する人々が増えている

この「困窮の変化」への回答を、
社会に実装しているのが私たちトイミッケです。

「いつでも」「どこでも」SOSを出せば助けが来る社会。
そこに「だれでも」参加できる社会へ。

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