あさイチ放送/雇いたい企業はある/住まいを失う前に動く:東京ゴールキーパー日記26/7/1〜7/31
SNS (https://x.com/dai46u )に投稿した、2026年7月1日~7月31日まで記録のまとめです。 支援対応数やせかいビバーク利用数はこちら( https://toimikke.org/support )で速報値を公開しています。
7/1(水)
本日7月1日放送のNHK「あさイチ」『若者に…親世代に…広がる貧困』をご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。見逃し配信は7月8日(水)朝まで。
番組でも紹介された通り、トイミッケの緊急支援につながる方の約5割が20〜30代、40代まで含めると約7割を占めています。多くの方が「働いて自立したい」と話します。けれども、住まいも、所持金も、頼れる人もなく、生活を立て直すための「足場」がありません。
私たちは、住まいを失った方のもとへ駆けつける、いわば最後のゴールキーパーのような活動をしています。もちろん、一度の緊急支援ですべてが解決するわけではありません。ホームドアさんが取り組まれている長期滞在と就労支援のように、必要な仕組みを一つひとつ事業としてつくり、目の前の困りごとを解決していくしかないと考えています。これからも、突然住まいを失ったときに、すぐに助けを求められるSOSの仕組みをつくっていきます。
また、番組をご覧になり、「この活動を少し応援したい」「一緒に仕組みを育てたい」と感じていただけましたら、ぜひ仲間になってください。
じつはトイミッケは、今年だけで地上波に3回取り上げていただきました。ただ、毎回ご一緒するNPOの皆さまが巨象のような規模で、アリのような私たちは画面の隅で「あああ……」となっています・笑。まだ小さな団体ですが、よい仕事をします。どうか力を貸してください!

7/4(土)〜7/5(日)
若者を雇いたい企業はある。けれど、働くための住まいや生活の基盤がない若者もいる。
7月に入り、報道を見た企業の方々から、「支援につながった、仕事を探している若者を紹介してほしい」というお問い合わせが相次いでいます。そこには、確かなミスマッチがあります。ただ、現在は日々の支援対応で手いっぱいで、一件ずつご連絡を精査し、すぐに就労につなぐ体制まではつくれず、申し訳ない……。それでも、こうした反響を一過性のものにせず、支援と仕事をどう結び直せるのか、考えていきたいと思います。
7月4日(土)は、4人の緊急宿泊支援に対応。その日のうちに直接お会いした方もいます。週明けに福祉事務所へ行く方とは、申請に必要な書類を目の前で一緒に作成。事情を聞き取り、文章にまとめ、コンビニで印刷してお渡ししするなど、一人ひとり状況が異なるため、どうしても時間がかかります。
本日5日(日)は、前日に宿泊された方から連絡があり、駅前まで会いに行きました。天候はすぐれませんが、厳しい暑さよりは、まだ動きやすいのかもしれません。宿泊からのその先の申請、住まい、仕事まで、途切れずにつながる仕組みを考えていきます。

7/6(月)〜7/9(木)
「そんなにAIちゃんに相談するなら、AIちゃん家の子になっちゃいなさい!」……という冗談はさておき。
最近、AIは本当にインフラになったのだと感じます。面談で「AIと壁打ちしたチャット履歴」を見せられたり、メールでAIに相談した文章がそのまま送られてきたりすることが増えました。こちらも、AIで整理されたアウトプットをレビューしているような感覚になる場面があります。もちろん、基本的にはプラスです。困っている人が、自分の状況を言語化したり、相談前に考えを整理したりできるのは、とても大事なことです。
一方で、少し難しさも感じています。特に若い方で、こだわりが強かったり、「自分はこうしたい」という理想がはっきりしている方が、AIと何度も壁打ちして方向性を固めたうえで、「この通りに進めてほしい」と相談に来ることがあります。ただ、その内容が、現在の福祉行政や支援現場では、すぐには実現できないこともあります。そこを説明しても、今度はAIと一緒に反論される。こちらとしては、「この誰も幸せにならないやりとりは、いったいなぜ……」となることがままあります。
制度の話は、単純に「できる/できない」だけではありません。「制度上は可能だが、かなり時間がかかる。その時間を待っていると生活が破綻する」「可能性はあるが、不愉快な環境や人間関係を、本人が単身で突破する必要がある」「理屈としては正しいが、現場の運用上かなり難しい」。そんな無数のグラデーションがあります。だからこそ、AIに相談すること自体は否定しません。ただ、最後の判断は、制度と現場、そして似たケースを知っている人にも確認してほしいと願います。
7月6日は、前日に緊急宿泊対応をした方が、東京市部で生活保護申請を断られたとの連絡。すぐに地元の支援グループの方が夜に合流してくださり、翌日の同行まで引き受けてくださいました。本当に感謝です。
7日は、数日前に緊急宿泊した方が再び困窮し、現地まで行ってお話をしました。結果として、いったん帰ることになり、近くまでお送りしました。
9日は、2か月ぶりの連絡が複数ありました。そのうちお一人とは直接お会いし、翌日の生活保護申請に向けた段取りを組みました。なんとか今週も現場で動いています。

7/31(金)
生活保護を利用したいが、無料低額宿泊所は避けたい。今の施設を出たい。そんな相談が続いています。生活保護は、本人の自立を支える制度です。保護費が支援より収益を優先する施設へ流れるなら、見過ごせません。「屋根があればいい」ではなく、安全と自己決定まで問われます。
ただ一方で、無料低額宿泊所を断る/脱出のお手伝いをした直後から、「今夜どこで寝るのか」のリソース探しが始まる。一見良さそうなネットカフェ保護も、使える宿泊費は日額2,300円程度でしかなく、食費を削って6〜7時間の寝床で精いっぱい。権利はあっても、選択肢が乏しいのが現実です。
また、本人が嫌だとしても、客観的に見守りや生活支援を必要とする方もいます。施設を避けたとしても、路上やネットカフェでは生活できない。もちろん、望まない施設へ無理に入れることもできません。本人の自由と安全をどう両立するか。正論だけでは解けない難しさがあります。
コンスタントに来るのが「ペットと一緒に保護を受けたい」という相談です。しかし、多くの施設は本人は入所できるが、ペットは不可。では、その「子」をどうするのか。支援を拒んでいるのではなく、大切な家族を置いていけず身動きがとれない方に出会うことが多いです。飼うことの是非を外から裁くより、本人とペットがともに安全でいられる選択肢を増やす必要があります。
では、どうすればいいのか。身も蓋もない答えですが、最も大切なのは、住まいを失う前に動くことです。家賃を払えなくなってからではなく、払えなくなりそうな段階で相談する。賃貸でも社宅でも、今の足場があるうちに、生活保護の相談や次の住まい探しを始める。
「今日退去しました。今夜泊まる場所がありません」からでも支援は出来ます。ただ、時間が短いほど、本人が選べる道は減っていきます。相談が遅れた人を責めたいのではありません。「まだ数日は大丈夫」という時こそ、つながってほしい。早めの相談が、住まいの選択肢を増やします。
そんなわけで、7月も一瞬で過ぎました。今月も、これまでにつながった方への継続支援を中心に奔走。活動を知っていただく機会が増える一方、数か月前、数年前につながった方からの相談も届きます。支援の人手と、安心して泊まれる場所が必要です。理念を、実際の選択肢に変えていきたい。
