生成AIで相談先を調べて来る方が増える/賃貸契約が残ったままのデッドロック/ふたつの「文化」の衝突:東京ゴールキーパー日記25/5/1〜5/31
SNS (https://x.com/dai46u )に投稿した、2025年5月1日~5月31日まで記録のまとめです。
5/1(木)〜5/7(水)
5月の初日から、10代の若者が「せかいビバーク」を利用し、協力団体と連携して当日のうちに安全な宿泊先へご案内できました。
その後のゴールデンウィーク期間中は毎日2件以上の緊急対応が続き、日払いの仕事が休みになって宿泊費が尽きた方や、実家に戻れずネットカフェで寝泊まりしていた方など、多様なご相談が相次ぎました。
6日までの連休をなんとか乗り切ったものの、連休明けの7日には「休みの間は持ちこたえたが、資金が底をついた」というご相談が殺到し、現場は大わらわとなりました。
この連続対応で、連休中だけでも延べ15件を超える支援をおこない、ご相談者の年齢傾向も20〜30代が大部分でした。宿泊先の確保や食料・交通費の支援、医療・就労相談への同行など幅広いサポートを提供しながら、「困ったときに何度でもやり直せる場所」を維持するためには、スタッフの体力と組織のリソース、そして受け止める度量が不可欠だと痛感した連休でした。
5/8(木)〜5/12(月)
連休明け最初の平日が始まり、この週は新たに2件のご相談を受けました。並行して、先週の緊急支援で出会った方を土曜の池袋相談会に同行し、面談のうえ連携団体への申請手続きまで段取りを整えることができました。
週明けの月曜日、制度への接続をお願いしていた方から状況の悪化をお知らせいただき、関係機関に知恵を借りながら次の支援先へとつなげました。
4月に対応した方から前向きな近況報告も届いています。

5/16(金)〜5/17(土)
週末も緊急宿泊と緊急対応に奔走しました。遠方まで駆けつけ、制度の谷間で支援を受けられずにいる方からのSOSを、どうにか週明けまで安全につなげられました。
最近は、生成AIで相談し、紹介された支援団体を訪ねてくる方が増えています。深刻な状況にいる方が、自分の事情をAIで言語化し、その対話履歴を共有してくださる場面もありました。
一方で、無料版のモデルに支援団体を尋ねると、団体名と連絡先が食い違う例が頻発し、上位のモデルでも基本情報の誤りが目立ちます。検索エンジン代わりに使うにはまだ課題が残り、私たち支援側にも「AI向けの情報整備」という新たな仕事が増えるのかもしれません。
5/18(日)〜5/19(月)
週末は新規の宿泊支援が日曜1件、月曜2件。日曜に受け入れた方は連携団体と連携しながら翌日もフォローを続けました。これに加えて、継続相談は日曜4件・月曜2件と、相変わらず切れ目なく動いています。
5月も後半に入り、「仕事が決まりました」という朗報が連日届く一方、その多くが不安定な雇用形態で、社宅付きか日払い併用といったぎりぎりの条件ばかりです。生活を立て直すには、生活保護などを活用してアパートを再取得したほうが安心では、と感じる場面も少なくありません。
とはいえ最終的な選択はご本人の意思です。だからこそ、もし次に困ったときにはすぐ相談できる窓口を開け続けることの大切さを、あらためて痛感しています。
5/20(火)〜5/25(日)
この週の相談件数は速報値で36件。一日平均5件以上に対応し、そのうち8件で新規の緊急宿泊支援をおこないました。翌日以降、公的支援へつなげたケースもありますが、多くは就労中の方が「次の職場まで」の短期的な支援を必要としていました。特に、社員寮付きの仕事を退職し、新たな同種の仕事を探す過程で力尽きてしまうケースが目立ちます。
印象的だったのは、賃貸契約を残したまま、さまざまな事情で家を出ざるを得ず、戻ることも解約もできないご相談者が複数いたことです。
公的支援は原則として「自宅があるなら自宅(地域)で対応」ですが、実際には戻れず、他地域での支援も受けられないという“デッドロック”が発生しています。解約には通常1か月以上を要し、こうした狭間に置かれた方を民間のNPOが支えざるを得ない現状があります。

5/26(月)〜5/27(火)
月曜は新規の緊急宿泊対応1件を含む相談6件、火曜も新規の緊急宿泊1件を含む相談5件に対応しました。新規相談がやや減少したぶん、困難を多く抱える方の伴走支援が増え、連携団体と協力して取り組んでいます。
そのなかで感じているのは、ふたつの「文化」の衝突です。
多くは50代以上で、ドヤや日雇いを利用し、複数の福祉制度を経験してきた「ホームレス文化」の文脈で生きてきた方と、それを主な対象とした従来のホームレス支援施策。一方で、20〜30代を中心に、ホワイトカラーなどの職歴を持ちながら住まいを失い、福祉とは縁遠い方を対象とした新しい支援サービス。
このふたつが現場で衝突し、支援のミスマッチによって傷つく人もいるのが悩みどころです。ニーズもパーソナリティもあまりに異なるため、一括りに「住まいがない/ホームレス状態」と語るのは適切ではありません。東京という都市のなかで両者が混在する現状を、どうにかうまく切り抜けたいところです。

5/28(水)〜5/31(土)
水曜は5件のご相談。昨年一度つながったきり連絡が途切れていた方から久々にご連絡をいただいたほか、選択肢が極端に限られた新規の宿泊相談にも対応し、支援方針を検討しました。
木曜は2件のご相談のみでしたが、そのうち1件では無事に公的支援につながったとの報告があり、胸をなで下ろしました。金曜は3件、うち1件は新規の緊急宿泊支援で、翌日以降に公的機関へ同行できるよう手配しました。
月末の土曜日には7件のご相談が集中し、新規の宿泊支援だけで3件を数えました。複数人の世帯で住まいを失ったケースもあり、既存の制度が「帯に短し襷に長し」となるなかで、制度の狭間に落ち込む人がいる現実を痛感しています。
5月をふりかえって
11月から続いていた繁忙期は、ようやく5月で一区切りついた印象です。それでもこの月の総対応件数は110件を超え、せかいビバークの利用は20件以上と高水準が続きました。
アディクションや精神疾患を抱える方との向き合いが増え、「今の生活を捨ててもいい」とご本人に感じさせてしまったときには、支援側の力不足を痛感します。機動力と広域のカバーを維持しつつ、専門的な支援体制の整備が依然として課題です。