越年越冬で延べ20泊以上/8割が「今ではない」を選ぶ/万博の警備から戻ってきた人たち:東京ゴールキーパー日記26/1/1〜1/31
SNS (https://x.com/dai46u )に投稿した、2026年1月1日~1月31日まで記録のまとめです。
1/2(金)〜1/4(日)
年末年始の臨時相談会「この1日を乗り切るための宿泊相談」を、1月2日と1月4日に開催しました。2日は開始まもなくご相談の方が来られ、宿へご案内しています。
この期間、都内で直接相談できる場所を日付ごとに整理してお知らせしていました。同じ日には、池袋でサンカクシャさんが15〜25歳くらいまでの若者を対象に居場所とごはんの提供を、国立では「くにたち困りごと相談会」が生活・労働・女性・法律の相談をおこなっています。

1/5(月)
前日をもって、9日間にわたる越年越冬支援が無事に終了しました。今回の年末年始は、延べ20泊以上の宿泊支援をおこなうことができました。
ここからはアフターフォローの段階です。ある意味、ここからが本番になります。ある方は公的制度の申請へ、ある方は新しい仕事先への移動のフォローへ。人によっては、ここから年単位での伴走が必要なケースもあり、「関わった全員が安心できる場所にたどり着くまで」伴走していきたいと考えています。
今年の年末年始は、これまでほど「特別な期間」という感じが薄く、年末年始も複数の箇所が稼働している通常の「せかいビバーク」経由でつながる方も多くいました。過去に相談歴のある方も多く、「年末年始だから困った」というより、日常的な困難がそのまま続いている印象です。

1/6(火)
年末年始からつながった方々の今後を伺いながら、新規の緊急宿泊対応が2件。
まだ結果は出そろっていませんが、現時点では「つながった方の約8割が、公的制度の利用は望まず、次の仕事のあてを頼りに進む」ことを選ばれた、という状況です。こちらとしては統計的に「4割以上が1年以内に再相談になる可能性が高い」と見ていますが、それでもご本人が決めた道がうまくいくよう祈るしかありません。

1/8(木)〜1/14(水)
8日、お寺関係で配布・発行されているペーパー『仏教ライフ』157号に寄稿しました。「せかいビバーク」をお寺2か所に設置していただいているご縁で、お声がけいただいたものです。
14日には、KBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」で「せかいビバーク」についてお話ししました。
1/17(土)
1月15日、東京・杉並区のアパートで強制執行に訪れた執行官ら2人が刺され、1人が亡くなる痛ましい事件が起きました。逮捕された男性は「生活保護を打ち切られた」と供述していると報じられています。報道によれば「保護を受けながらスキマバイトを始めたが、それが原因で保護を廃止された」とのことです。
この男性個別の事情は分かりません。ただ、私たちが運営する「せかいビバーク」にも、これと酷似した経緯で困窮する方からのご相談が絶えません。
40代で生活保護を利用しアパートに入居した方のパターンとして、それまで「住み込みの仕事」で全国を転々としてきた背景が多い場合があります。失業と同時に住まいを失い、ネットカフェなどで過ごしながらスキマバイトでつなぎ、次の「寮付き」の仕事を探してまた移動する。こうしたサイクルのなかにいたため、「定住してそこから職場に通う」というキャリアデザインの選択肢が、そもそも少なかった方が多いのです。
これはご本人の選択という側面もありますが、産業構造そのものがこうした働き方を生んでいる面もあります。
1/20(火)
若者支援NPOのサンカクシャさんのオンラインイベント「夜にこぼれる若者のSOS——アウトリーチと夜の居場所の必要性」にゲスト登壇しました。
「せかいビバーク」の利用層の約5割が20代・30代となっており、10代が居所を失い、それこそ深夜に緊急で飛び込んでくることも、残念ながら珍しくなくなりました。そんなときにサンカクシャさんと連携して対応することが、最近は特に多くなっています。
1/21(水)
毎日新聞デジタル版に、私たちの活動と「見えないホームレス」の現状についてのインタビュー記事を掲載いただきました。
年が明けても「住まいがない」というご相談は平均1日1件以上のペースで続いており、この日も新規の緊急宿泊2件、継続対応3件でした。
現場で増えているのは「現在就労し、一定以上の収入があるにもかかわらず、住まいを確保できない」ケースです。既存の公的制度では対応が限定的だったり、過去の利用歴(たとえばチャレンジネットをコロナ期に利用済み)によって選択肢が狭まったりして、支援のスキマに落ちてしまう方が少なくありません。
1/24(土)
1月後半も、「不安定な働き方から不安定な働き方へ」移動し続ける方の「スキマ」を埋める対応がとても増えています。
「明日◯◯の工場へ入寮が決まっています。高速バスの切符はもらいました」「週明け、◯◯のリゾートバイトが決定しています。航空券も確保してもらいました」。こうした言葉を、このところ本当によく聞きます。
大阪・関西万博の開幕前には「万博の警備の仕事が決まっています」と話す方に多く出会いましたが、直近は「万博の警備の仕事から戻って来ました」という方々に会う機会も増えてきました。
こうした移動を繰り返す方々に対して、「一度、公的支援を使ってアパートを確保し、そこを起点に生活を立て直しませんか」と提案しても、働きたい・働けるという事実の前で、ほとんどの方が「今ではない」と答えます。その「今ではない」がうまくいくことを願いながらも、もしまた困ったときに途切れずつながれるように。「せかいビバーク」は、そんな受け皿であり続けたいです。
それにしても対応件数が多いです。新規だけで1日2〜3件、継続支援も含めると1日5件以上が続いています。

1/25(日)〜1/27(火)
25日は新規の緊急宿泊支援が1件。以前せかいビバークでつながった複数の方から、状況の進展に伴うご相談が入り、対応が続いています。
寒波が続くなか、「仕事と仕事の切れ目の一夜」を外で過ごすことは、もはや現実的に不可能です。凍えないために夜通し歩き続けて足を悪くしてしまった方にも、先日お目にかかったばかりです。
26日も新規の緊急宿泊支援が1件、継続の相談・宿泊支援が4件以上。伴走型の支援を続けるなかで、制度がなかなか噛み合わず、ゴールが見えないケースもあり、支援する側も悩みながらの毎日です。そんななかでも、「次の仕事の寮に無事たどり着けました」と複数の方から連絡が届き、ひとまずほっとしています。
27日も新規の緊急宿泊2件、継続支援2件以上。日中は駅前の喫茶店で面談相談。メモを広げながら、今後の歩み方を一緒に考えました。夜には連携団体に相談したあと「今夜の宿がない」と、せかいビバークの利用につながっています。
なお、昨年11月から続けてきたクラウドファンディングは、この日をもって終了しました。180名の方からご支援をいただいています。
1/29(木)
マガジン9の連載に、杉並区の事件についてのインタビューが掲載されました。SNSでの投稿をきっかけに取材をいただいたものです。