新規宿泊18名・のべ89件/再相談率は約4割/初めて新規受付を止めた年:東京ゴールキーパー日記25/12/1〜12/31
SNS (https://x.com/dai46u )に投稿した、2025年11月30日~12月31日まで記録のまとめです。
11/30(日)〜12/3(水)
11月最終日も、相談対応は3件。TOKYOチャレンジネットにはつながっているものの、どうしても月末を越えられない方をキャッチして宿泊対応をおこなうなど、ぎりぎりのご相談が続きました。
12月に入ってからも、1日1〜3件ペースでご相談が継続しています。過去に支援し、いったんアパート入居までご一緒した方が再び住まいを失ってご連絡をくださったり、遠方に行ったまま動けなくなった方について、現地の支援団体さんから協力の依頼をいただくなど、年内最後の流動が続いています。
水曜日も4件の対応。次の仕事がすでに決まっており、つなぎの期間だけ連携団体のシェルターをレスパイト的に利用していた方が、無事に次の職場へ向かえることになり、スタッフ一同ほっと一安心しました。寮付きの仕事ゆえに、また不安定さが出てこないかと心配もありますが、どうにかうまく続いていくことを願っています。
12/1(月)〜12/2(火)
ポリタスTVへの出演をご覧くださった方から、クラウドファンディングへのご寄付が増えました。一方で、直近でも「生活保護だけはしたくない」というご相談が続いています。とはいえ、その夜の緊急宿泊は団体でなんとか対応せざるを得ず、宿泊費の高騰もあって、活動へのダメージがかなり大きくなってきています。
火曜日、トイミッケは「塩沼亮潤大阿闍梨基金」第3回経常助成に採択いただきました。これで緊急宿泊支援を一定期間は継続できる見通しが立ち、本当にありがたく思っています。
今回ご一緒させていただく採択団体・採択事業の一覧を拝見すると、トイミッケ以外はすべて子ども支援であり、社会全体として子ども支援がいかに重視されているかを、あらためて実感しました。その一方で、トイミッケは「稼働年齢層のホームレス支援」という、まだ十分に届いていない社会課題に取り組んでいます。
12/4(木)〜12/7(日)
木曜は、朝から緊急宿泊の受け入れ先へヒアリングと面談へ。次の行き先が決まっている方だったので、そこまでの段取りを一緒に組みつつ、食料支援もおこないました。
金曜は、新規の緊急宿泊1件を含む3件の対応。ここ最近、本当に20代前半のご相談が目立ってきています。この日は、たまたま別件で一緒に動いていた若者支援NPOのスタッフと連携し、そのままキャッチして拠点にお連れし、今後の段取りを組むことができました。
このケースでは、都合4つの団体でバトンをつなぐ形になりました。こうした「みんなでつなぐ」支援が、いまは当たり前になりつつあります。
土曜は2件対応し、月曜までの宿泊や動き方をなんとかつなぎ、再度のお約束をしました。日曜は1件、遠方の方からのオンライン相談を受ける形での対応でした。

12/17(水)
東京新聞の紙面で、トイミッケの活動を取り上げていただきました。
スキマバイトなどで生計を立てつつ、ネットカフェ等で暮らしている「突然まわらなくなる」層に対して、せかいビバークのアウトリーチが少しずつ届くようになってきました。
12/20(土)
年末年始の臨時相談会、「この1日を乗り切るための宿泊相談2025」の開催をお知らせしました。12月30日、1月2日、1月4日の3日間です。
同じ日、全国いっせいの「いのちと暮らしを守るなんでも相談会」も開かれ、こちらには「ボイチャ相談!」を提供しています。
12/23(火)
TBSラジオ『荻上チキ・Session』の特集「多くの公的支援がストップする年末年始の困窮者支援」に出演しました。直前の告知になってしまいましたが、現場からの状況をお話ししています。
12/28(日)〜12/30(火)
越年越冬の期間に入りました。都内で直接相談できる場所を、日付ごとに整理してお知らせしています。
30日は、こちらの臨時相談会の初日でした。同じ日に、新宿では自立生活サポートセンター・もやいさんが緊急性の高い方への生活相談を、池袋ではサンカクシャさんが15〜25歳くらいまでの若者を対象に、居場所・ごはんの提供・相談をおこなっています。

12/31(水)
年末年始を含むこの時期は困窮者支援の「繁忙期」にあたり、前日も当日も、そして年明けも対応が続いています。

12月の緊急支援と、年末年始の臨時相談会
年末年始も毎日稼働し、住まいを失った方の支援をおこなっています。12月は暫定で新規宿泊対応18名、のべ相談対応89件(いずれも速報値)となりました。
また、12月30日の臨時相談会(第1回)にも複数の方にお越しいただき、いずれも宿泊支援につなぐことができました。こうした宿泊支援が実現できているのは、支えてくださった皆さまのおかげです。
内訳としては、やはり変わらず20代〜30代が大半を占めています。不安定な就労を続けながら不安定な居場所にいる方のうち、公的支援の利用を望まず(次の仕事へ移り続ける形になりやすく)、まずは「今日明日だけでも何とかしたい」という切迫した状況で、せかいビバークにつながる方が多い印象です。
一方で、暫定ではありますが1年以内の再相談率は約4割で、状況の改善が十分に追いついていないことも実感しています。
また、いわゆる貧困ビジネスを自覚的に選択し、炊き出しや公的支援にもつながらないケースもやはり多く、現場から見える「支援へのアクセス」の分断は、来年さらに強まっていくのではないかと懸念しています。
トイミッケの2025年
トイミッケとしては、今年は激変の年でした。対応数があまりに増え、初めて「せかいビバーク」の新規受付を停止せざるを得ない局面もありました。
その後、SVP東京をはじめ複数の方々の助力や助成の段取りをいただき、年末までに新規再開と事務局体制の再編に向けた道筋を立てることができました。
これまで複数の団体を兼務するなかで「トイミッケの佐々木」として前面に出ることがあまりなかったのですが、今年はその名で動く場面が多い一年でもありました。
一方で、ローンチ予定だった新規事業が年内に間に合わなかったことなど、悔しいことも多くありました。やるべきことや効果の見込みが見えているのに、実装や運用が追いつかない。そのもどかしさを強く感じた年でした。支援に対応するテクノロジーのアイデアもいくつか検討しましたが、まだ形にできていません。
財政面・人的リソース面も含め、課題は山積みです。それでも、できる限りよい形で前に進めていきます。
来年の「支援業界」について(私見)
ここからは代表理事個人の見解です。
来年の大きなテーマも、やはり柱のひとつはAIだと感じています。すでに「私は○○の状況です。どうしたら?」という形式のご相談において、制度の選択肢や伝え方の精度が、少なくとも市民相談会の相談員のレベルを上回る場面が出ています。
たとえば生成AIのノート機能に、保護手帳や運用集など信頼できる副読本を数冊読み込ませるだけでも一定の水準に到達しており、コストも月額と書籍の購入費、PDF化の手間程度で済んでしまいます。この流れは避けがたいのではないかと思っています。
また、市民相談会のような場に寄せられるご相談は、制度利用中の方からの「それでも苦しい」といった内容が増えており、相談員が制度面で追加的にできることが限られる場面も少なくありません。その結果、現場の提供価値が「食料等を渡す」「傾聴する」に寄っていく、という変化も起きうると見ています。
もちろん、食料支援や傾聴の意義は揺るぎません。ただ、ボランティアで支えられてきた相談活動が、役割の再定義を迫られ、担い手が減っていく可能性は考えておく必要があると思います。
一方で、都市と地域を移動し続ける不安定就労・不安定居住の層は、こうした枠組みにアクセスしない層として、より「暗数化」していく懸念があります。そうした方々をキャッチするには、緊急対応を含むアウトリーチの技法に加え、依存症や精神疾患など複合的な課題への対応、宿泊のリソース、そして数年単位の伴走支援が不可欠だと痛感しています。さらに、外国人支援も含め、専門性の高い相談対応の訓練と知見の蓄積が必要で、一定の専門チームがなければ支援が成立しにくい。その現実を、今年はとくに強く感じました。
もちろん「支援」は外部から評価されにくい領域でもあり、実際の効果が十分でない状態でも「やれている」と言い張れてしまう側面があります。ただ、現実として支援の二極化が進んでいく可能性は高く、そこにどう向き合うかが問われる年になると思います。
だからこそ、トイミッケとしては、広域的な専門チームをきちんと形にしたいと考えています。現状も専門家やプロの方々にボランティアベースで助けていただきながら、綱渡りで現場に入っている状況です。来年は、これを持続可能にするための道筋をつくり、維持できる体制にしていきます。